ドイツのオーガニック事情②【ドイツで環境意識が高い理由】

こんにちは!JIROです。

前回の記事↓では、Bio製品についてのザックリとした概要を紹介しました。

Bioってなに?という方は、こちらに纏めてあるので見てみて下さい。

前回の記事では、Bio製品が売れている理由のひとつに、

「Bioの使命は、環境保護である」

というものがあって、ドイツ人は環境意識が高い(スイスとか他にも環境保護で進んでいる先進国はありますが)から、この思想に共感してBio製品を買っているんだ、と結論づけました。

さて、普段日本で暮らしていると、ゴミの分別とかは当たり前に行われていますが、環境保護に対して能動的に取り組む機会とか、考えさせられる機会とかって、そんなにないですよね?

ニュースやSNSで大気汚染とか海洋のマイクロプラスチック汚染とかの情報が流れていても、もちろんその時は「自分も何かしなきゃな」とは思うものの、なかなか実際行動に移すのって難しかったりすると思います。

そんな中、ドイツは一味違って、生活の中に環境保護の観点から色々な取り組みがなされているんです。

例えば、

  • ペットボトルは捨てずに買ったスーパーに持っていきリサイクルする(ペットボトル飲料を買う時点でボトルのデポジット代が上乗せされており、店に持っていくと返金してもらえる仕組みになっている)
  • 買い物にはマイバッグを持っていく(マイバッグがない場合は店で購入。タダでなく有料。また、最近ビニール製から紙製にどんどん切り替わってきている)
  • 多くの人がBio製品を購入している

といった具合です。

では、

なぜドイツってそんなに環境意識が高いの?

って疑問が出てきますよね?

ということで、今日はこの点について紹介していこうと思います!

①歴史的な背景

なぜドイツではそんなに環境意識が高いのか。

これは、歴史を紐解くと、わりとすんなりと理解することができます。

1.Lebensreformbewegung/生改革運動とは

その際のキーワードが、Lebensreformbewegungです。

このドイツ語の日本語訳がちょっと難しいんですが、「生改革運動(せいかいかくうんどう)」と呼ぶのが通例のようなので、こちらの呼称を拝借します。

この「生改革運動」は、19世紀後半にドイツで起こった運動です。

当時の世の中は、産業革命によって、工業化・物質主義・大衆的消費主義が急速に発展した時代でした。

この流れに伴って、人々の生活スタイルも大きく変化していった訳ですが、あまりに変化が大きかったため、精神的に弱ってしまったり、肉体的にも衰弱してしまう人たちも出てきました。

また、この工業化によってそれまで大事にされていた価値観も変わっていったことから、

「この変化の流れは危ない。人間の心身の健康も害すし、それに加えて道徳的にも腐敗していってしまう。」

と危機感を覚えた一部の人達が、この時代の流れに抵抗・反発していくことで生まれたものが、この生改革運動でした。

つまり、ざっくり言うと、

「人工(的なモノ)より自然(であること)により大きな価値を置くという、大きく括れば近代化に対する批判」

なわけです。

2.「生改革運動」の内容

では、この「生改革運動」が具体的にどんなことをしていた運動だったかと言うと、

その名前にもある通り、人間の「生」全般をその領域とするものだったので、運動の内容も幅広い分野にわたっていました。

例えば、衣食住・医療・芸術・社会政策・宗教運動などです。言ってしまえば、人間の人生・生活に関わることのほとんど全てのカテゴリーですね。

その中でも、この運動の核となるのが、まさに現代のBio(≒環境保護)につながる自然食・菜食主義だったのです。

この時代から、自然なもの(人工的に加工されていないもの。主に野菜や果物などの植物)を食べることがドイツ国内に広まっていったわけです。

3.「生改革運動」のあと

それで、以上で説明した生改革運動の下地がある上で、

  • 1970年代にヨーロッパで起こったエコロジー運動
  • 1980年代の「緑の党」のヨーロッパ全体での躍進

などのムーブメントが続いていった結果、自然食・菜食主義がヨーロッパにおいて浸透するに至ったんです。

つまり、ドイツにおける環境保護意識は、ポッと出の流行やファッション的な行動ではなく、長い歴史によって育まれたもの、ということが言えますね。

以上が歴史的な背景になります。

ちなみに、実は厳密に言うと現代の環境保護の範疇である菜食主義や自然食の歴史は、古くは古代ギリシャ・ローマまで遡ることができるんです。

でも、その時代の菜食主義や自然食は、宗教的な側面が強かったので、あくまで現代のそれに与える影響は間接的だろうと言うことで、今回は省きました。

②環境保護を考えさせる教育が行われている

次の大事なポイントが、ドイツにおける環境教育についてです。

僕はもうアラサーなので、現在の日本の義務教育のカリキュラムがどうなっているのかは正直わからないんですが、少なくとも僕が小学校〜中学校の頃は、「環境」について考えさせられる授業とかって、ほとんどありませんでした。

もちろん遠足とか、たまにある特別授業みたいなものでちょっと触れたことはあった気がしますが、その程度です。

一方、ドイツは一味違うんです。

さすが生改革運動の効果あり、というべきでしょうか、

1970年代のWilly Brandt政権時代に、Grundschule(日本の小学校に相当します)で環境教育が必修科目に採用されたんです。

そして、小さい頃から環境や社会システムについて自ら考えさせる授業が行われてきたため、国民全体で環境(=Bio・自然食・菜食主義・エコ)への意識が特に高い現状となっているんです。

この「自ら考えさせる」というところが肝ですね〜。詰め込み型教育の日本との違いです。

まとめ

以上の通り、

  • 生改革運動に端を発する自然食、菜食主義の推進
  • 環境教育

の2つが、ドイツ人の環境意識を高いものにしているというお話でした。

個人的には、日本の環境意識がもっと良くなったらいいなと思っているので(海外かぶれなわけではないですよ笑)、どうしたら改善できるかこれを機に深掘りしてみようと思います。日本には「もったいない」の精神とか、世界でみてもイケてる文化はあるので、より良いものになっていったら最高ですよね。

なお、生改革運動やドイツの近代の歴史についてもっと知りたいなという方は以下の書籍を読んでみてください。オススメです。

帰依する世紀末―ドイツ近代の原理主義者群像/竹中亨 著

最後まで読んで頂きありがとうございました!

この記事が皆さんの参考になれば大変嬉しいです!

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